「JMG」12月度定例研究会「新簡単パーソナルジュエリー診断!」
2019.12.11「新簡単パーソナルジュエリー診断!」
パーソナルジュエラーShihoさんによる、似合う理由が伝わる販売力向上講座
2019.12.4(水)「JMG冬の定例研究会」
一人ひとりに似合うジュエリーを診断するための「パーソナルジュエリー診断」を編み出した、株式会社Jスタイル 代表取締役である Shihoさんが、宝飾店の販売方法に発想の転換をもたらすカリキュラムをJMG会員に披露しました。
パーソナルジュエリー診断を軸に2020年のトレンド予測や独自の販売方法、リピーター客の作り方、パーソナルジュエラーインストラクター養成についてまでを、実践を交えてレクチャーしていただきました。
お互いの肌色診断で盛り上がる
お客さまの肌の色や輪郭などから似合う色石の傾向や、肌になじむ地金の色を診断するのがパーソナルジュエリー診断。肌色から春・夏・秋・冬の4つのグループに分けられます。
春…イエローベースの明るい色が似合う「ゴールドふんわりタイプ」
イエローゴールド、あこや真珠、ペリドット、パパラチアサファイア、トルコ石など
夏…ブルーベースの明るい色が似合う「プラチナふんわりタイプ」
プラチナ、白蝶真珠、アクアマリン、カラーダイヤ、ローズクオーツなど
秋…イエローベースの濃色が似合う「ゴールドきりりタイプ」
イエローゴールド、ガーネット、ひすい、サンゴなど
冬…ブルーベースの濃色が似合う「プラチナきりりタイプ」
プラチナ、黒真珠、ルビー、サファイア、エメラルドなど
肌がイエローベースならゴールドが、ブルーベースならプラチナやホワイトゴールドがなじむのが目安で、皆さんがカラーチャートでお互いに肌の色を判別したり、胸にカラークロスを当ててどの色が映えるかを発表し合うなど、和やかな雰囲気の講習会となりました。
来季のトレンド解説から今後の方向性を読み解く
講習会の中盤からは、2020年秋冬以降のジュエリートレンドについて、全体の傾向と宝飾店がとるべき対策をお話いただきました。
2020年以降のファッショントレンドのキーワードは
○エシカル
○サスティナブル
○リユース&リサイクル
○未加工
などが挙げられ、リラックス感のあるデザインやナチュラルなアースカラー、リユースのためのリフォームなど、地球環境への配慮がトレンドに反映されていることが浮き彫りになっています。
これらのトレンドワードを総合して見えてきたのは、ジュエリー界におけるアップサイクルの重要性です。
ジュエリーのアップサイクルとは例えば、眠っているジュエリーやアクセサリー類を重ねづけやリフォームなどで活用するという、個人単位で積み重ねる環境保護活動と位置付けられます。
重ねづけは販売方法にも有効な手法で、2本3本の重ねづけがトゥーマッチになるかといえばそうではなく、試しにつけて鏡で見てしまうと、本数を減らした時に物足りなく感じてしまうことを利用するなど、販売員の手法の一つとして大いに活用できるとShihoさんは言います。
ジュエリーだからこそできるエシカルでサスティナブルな行動があるということです。
顧客から「個客」へのシフトチェンジ
ジュエリーファンを増やしたい一心でパーソナルジュエリー診断のシステムを構築したというShihoさん。
お客さまが何を求めて来店するのかを今一度考え直したいと投げかけました。
一番良くないのは「何かお探しですか?」「お出しできますので、おっしゃってください」という決まり文句で、実際に自分が買い物先で言われたくないセリフとしても挙げられました。
これからのジュエリー販売に必要なのは個々の趣味嗜好に合わせたパーソナライズであり、ONE to ONEのマーケティング手法です。
とくに女性にはスペック販売と言われる商品説明を長々とするよりも、どのようにつけるか、自分に似合うのかどうかなど、自分が買うべき理由を示唆してあげることが大切だといいます。
どの洋服にどのジュエリーを合わせるのか、ジュエリー同士の組み合わせ方のポイントは何かなど、ジュエリーへの具体的なアプローチを示すことが重要なのです。
新入社員にもできる「似合う理由が伝わる販売法」
この「パーソナルジュエリー診断」を取り入れることによって、診断結果からはっきりとお客さまに似合うジュエリーを伝えることができるようになり、商品スペックも含めてコーディネート法を提案できるので、従来の「明確な理由なくご購入いただいている」状態から、販売員自身が納得して勧められるようになります。
それは販売員の自信につながり、その自信がお客さまに伝わる好循環が生まれます。
そして販売員が自分のファンを作れるように自分を磨くことができれば、しめたもの。
パーソナルジュエリー診断がもたらす効果は、販売員にとってストレスなく仕事ができ、かつモチベーションが上がることです。
今回の定例会ではShihoさんの開発したカリキュラムが、容易でありながらマジカルな販売メソッドであることが実感できる講座となりました。
パーソナルジュエラーShihoさんの詳細は、株式会社Jスタイルのホームページをどうぞご覧ください。
(文・嵯峨紀子)