ビジュー・サトウ 佐藤善久による「スマホ時代のジュエリーリフォーム」その2「高松市 エルファーナ」が取り組むプレゼン革新!
2019.02.19
「スマホ時代のジュエリーリフォーム」とは?<第2回>
「高松市 エルファーナ」が取り組むプレゼン革新!
株式会社ビジュー・サトウ 代表取締役/ジュエリービジネスプロデューサー 佐藤善久
こんにちは。ジュエリービジネスプロデューサーの佐藤善久です。今
回は2回目。「コンピュータ自体得意でない」という方も多いですが、「デジタルジュエリー®」 の技術を取得しそのスキルを活かし、ジュエリーのオーダーリフォームで活躍している小売店の事例の紹介です。
香川県高松市にあるジュエリーSHOP 「株式会社エファーナ」(大山剛社長)は、今は亡き先代からお店を引き継ぎご夫婦で奮闘されています。
「株式会社エファーナ」大山剛社長
「リフォームに関する悩み」あるある
大山社長は現在47 歳であのウィンドウズ95 が発売された時はすでに社会人。パソコンはあまりなじみのない世代です。そんな大山社長がデジタルジュエリー®リフォームの世界に入ったのはやはり「リフォームに関する悩み」でした。その悩みは「遠くはなれたジュエリー職人にお客さまのご希望するデザインをいかに伝えるか」ということでした。
高松市にあるジュエリーSHOP「ジュエルエファーナ」はオーダー・リフォームの依頼を甲府のジュエリー業者に依頼されていたようです。普段はFAXなどでデザイン画のやり取りをし電話で説明。それで見積もりを依頼し返事が来てからお客さまとの商談という流れです。ジュエルエファーナのお客さまはジュエリー好きでデザインにこだわりを持つお客さまが多くリフォームと言ってもカタログから既製枠を選んでもらうものでなく、大山社長がデザイン画を描きそれを制作するスタイルです。
大山社長による3Dデザインによるリフォーム
プロもびっくり! デジタルジュエリー®リフォーム
きっかけは大山社長からのメールでの「この内容で見積もりしていただけませんか?」という問い合わせでした。添付ファイルにラフのデザイン画と仕様が書いてありました。
わたくし佐藤善久は頂いた内容で早速3Dジュエリーデザインをし、静止画や360 度回せるバーチャルジュエリーを翌朝にメールで返信しました。
すると大山社長から電話をいただき「えー、もう見積り出来たのですか。それも360 度見渡せられるデザイン画。これはなんですか!! 今まで見たことない。こんなことできるんですか? それになぜメールを送ってから1日経たないのにこんなものまでできるんですか?」と質問攻め。
特に今回のリフォームデザインは取引先の甲府の業者に送ってから1週間経っても返事がなかったので電話をかけたら「このデザインちょっと無理ですね。」と言われてしまったデザインだったのです。
プロが驚くのがデジタルジュエリー®リフォーム。中にはLINE でお送りした画像を見て依頼主の社長が「あれー。作っちゃったの。まだ見積もり提案の段階でOKしていないんだけど」「社長、昨日の今日で完成品は作れませんよ。それお見積りにお使いいただくCG画です」なんてやり取りも起きるときもあります。
最初のメール添付で来たラフデザイン
翌日返信したデザイン画
このようにプロもびっくりするようなことをお店から提案されたら、お客さまはなおさらびっくりされることでしょう。またデザイン画が360 度回ってびっくりしていただいたらiPhone/iPad アプリによるバーチャル試着でダメ押しです。このユーザー体験はものすごいインパクトです。
自分でお客さまにその場で提案したい!
初めてのデジタルジュエリー®リフォームに「これはお客さまの安心につながる」と確認された大山社長からは立て続き3件のリフォームをご依頼いただきました。従来のリフォームの見積もりより数段にスピードアップしました。でもこのお客さまとのやり取りの時、自分で3D-CADを使い提案できれば、もっと活躍の場が広がると感じられたようです。
さらにわたしとの会話の中で「Genteel®というジュエリーブランドは、最初、結婚指輪で立ちあがったのですが、その時CGだけでサイトやカタログを作ったんですよ」という告白にさらに衝撃を受けられたようです。
大山社長はパソコンはそんなに強くないので「果たして自分に3D-CADが出来るだろうか?」「また習うのに東京に行かなきゃいけない。その間お店を休むことになる。それで果たしていいのか?」など、やはりかなり悩まれたようです。
ただのモノづくりとしての3D-CADでなく営業ツール、お客さまとのデザインコミュニケーションツールとして活用しているデジタルジュエリー®は「これは必ず自分の武器になる」と思い「デジタルジュエリー®スクール」の門をたたかれました。
最初にデジタルジュエリー®リフォームをご依頼されたのが2013年2月、そしてデジタルジュエリー®スクールにお越しになったのがその年の4月の後半。あれから5年の月日が経ち、今では香川県の内外からデジタルジュエリー®リフォームやデジタルジュエリー®オーダーを受注されています。さらにJJAのデザインアワード入選を果たし、小売店店主からジュエリーデザイナーとしての地位を獲得されました。
大山社長がデザインした「JJA日本ジュエリー協会 入選作品」
また3Dジュエリーデザイン(データ)販売も行い国内外のサイトで売り上げるなどの実績も上げています。
元ミスワールド日本代表ゆう よう子が手描きでデザインしたラフから佐藤善久がデジタルジュエリー®でデザイン、コラボしたサイト「Genteel®ジュエリー」
Genteel®のサイトの結婚指輪・婚約指輪はオールCG です。
今言われませんか?「コンピュータのデザイン画」が見たいと。
大山社長はご自分の直感でデジタルジュエリー®の道に入られました。今では「デジタルジュエリー®協会」会長として、また「デジタルジュエリー®スクール高松」の代表としても活躍されています。また、スリランカ在住の日本人デザイナーがスリランカでの職人とのやり取りで言葉の壁やジュエリーに対するイメージの違いから「伝えることの難しさ」を感じ、それを解消する方法は何かないかとネット検索され、デジタルジュエリー®スクールにたどり着き、一時帰国したこの正月に習いに見えました。
もともと立体であるジュエリーを平面のデザイン画で伝えるのはプロ同士でも難しいですね。また最近御徒町の職人さんから「小売店さんが『お客さまからコンピュータのデザイン画を見せてって言われたので用意できる?』って言われて困ってるんだけど……」このケース増えています。
やはりジュエラーとしてお客さまに自分でいろいろ提案したいですよね。逆に3D-CADができるからと言ってジュエリーリフォームがとれるかといったらそれも違います。やはりジュエリーリフォーム受注に必要なのはジュエラーとしての知識そして接客です。
それを持っているジュエリーSHOPは3D-CADが使えれば物凄い武器になります。
次回最後はデジタルジュエリー® はどのように学べるのかをお知らせしたいと思います。
株式会社エファーナ
代表取締役 大山 剛 氏
〒760-0043 香川県高松市今新町7-8 柏原ビル1 階
TEL:087-823-2280 /FAX:087-823-2281
ホームページ http://ephana.co.jp/
著者/佐藤善久プロフィール
昭和39年7月28日生まれ。創業昭和46年の宝石卸業 の2代目。さまざまな宝石販売流通を経験した営業マン。
小売店からのオーダーを職人にいかにデザインイメージを伝えるか悩んでいた1995年に宝石向け3D-CAD「JCAD3」に出会い 不器用な営業マンが3D-CADをマスターすればデザインの意思疎通が取れることに感動し、のめり込む。3D-CADでデザインしたジュエリーで2度「JJAデザインアワード」に入選。さらに国立東京外国語大学公認「建学150周年記念」校章入りジュエリーのデザインや国立東京工業高等専門学校の特別客員教授を務めた経験もある。
現在は iPhoneを使ったバーチャル試着やLINEを使ったデザイン画の確認・3Dプリンターも駆使したオーダーリフォームや「デジタルジュエリー®スクール」で後進を指導している。
(株)ビジュー・サトウ
〒170-0002 東京都豊島区巣鴨4-2-4 TEL.03-3940-0821 メール:zen@djf.co.jp