社員が産休・育休をとるとき/医療費控除とは?/定期健康診断を実施していますか?
経営者のための雇用・労務 お役立ち情報/社会保険労務士:藤井真奈美
雇用・労務 2020.03.021.社員が産休・育休をとるとき
社員が産前産後休暇や育児休業をとる場合はどのような手続きが必要でしょうか。今回は社会保険の続きと給与計算において注意すべきポイントをご紹介します。
■社会保険料の免除申請
産休・育休期間については、年金事務所に申請することによって健康保険料と厚生年金保険料が免除されます。(厚生年金基金又は健康保険組合に加入の会社はそれぞれに申請)
■給与計算の処理
産休・育休期間については、無給とする企業がほとんどですが、詳しくは会社の給与規程や育児休業規程の該当部分を確認して必要な計算処理を行います。
●所得税:給与支給が0円であれば0円
●住民税:休業期間中の住民税の控除・徴収について取り決めをしておく。(普通徴収に切り替えて、本人が直接納付する方法も可能)
●健康保険・厚生年金保険料:申請することによって免除
●雇用保険料:給与が0円であれば0円
■給与が支給されないことに対する社会保険からの給付金
2.医療費控除とは?
医療費控除とは、医療費の負担を少しでも軽くするため、医療費が年間で10万円以上かかった年に、その医療費の一部を所得から控除することです。所得が会社からの給与や賞与だけの方でも、医療費控除に該当する場合には確定申告をすることにより、所得税の還付を受けることができます。医療費は生計が同じ家族全員分を合算することができます。
具体的な控除額は、かかった医療費から10 万円(所得が200 万円以下の場合、所得の5%)および生命保険や健康保険の給付金で補てんされた額を差し引いた金額です。医療費控除を受けるためには病院から受け取る「領収書」または健康保険や健康保険組合から交付される「医療費通知」を失くさず保管しておくことが大切です。
3.定期健康診断を実施していますか
「労働安全衛生法及び安全衛生規則では業種・規模を問わず会社に年に1回、定期に健康診断を実施することを義務付けています。受診者の範囲は次の①と②の両方を満たす常用労働者とされています。
①期間の定めのない労働契約により使用される者(期間の定めのある場合でも更新により1 年以上使用する予定であったり、引き続き使用している場合は該当)
②1週間の労働時間が同種の業務に従事する通常の労働者(正規社員)の4分の3以上であること。(ただし、概ね2分の1以上である者については受けさせることが「望ましい」とされています)忘れずに年に1度実施しましょう。
【詳しい内容はこちらをクリック】
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000103900.pdf