年末調整の準備を始めましょう/外国人社員を採用したら
経営者のための雇用・労務 お役立ち情報/社会保険労務士:藤井真奈美
採用雇用・労務 2021.11.01年末調整の準備を始めましょう
今年もまもなく年末調整の準備を始める時期となります。
年末調整は賞与や毎月の給与の支払いの際に源泉徴収した税額と、その年に納めなければならない税額(年税額)とを比べて、その過不足額を精算する手続きであり、所得税の源泉徴収の総決算ともいうべき、とても大切な手続きです。今回は年末調整の流れとポイントをご紹介します。早めの準備で漏れのないように行いたいですね。
■ 手順
1)従業員への申告書の配布と回収(11月初旬)
①令和4年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
②給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼
所得金額調整控除申告書
③給与所得者の保険料控除申告書
2)回収した上記申告書の内容確認
*住宅借入金等特別控除申告書についても確認
3)源泉徴収簿の整理(12月)
①総支給額 ②社会保険料控除額 ③源泉徴収税額
*本年度入社者については前職分も合算する。
4)提出された各種申告書による控除額を踏まえて算出年税額を計算。さらにその額から住宅借入金等特別控除額を控除し、年税額を計算する。
5)年税額に復興特別所得税額を加算して本年度の年調年税額が決定。
6)源泉徴収票の発行
7)給与支払報告書の作成および申告(翌年1月末まで)
従業員ごとに給与支払報告書を作成し、各市区町村へ届出る。
【詳しい内容はこちらをクリック】
年末調整がよくわかるページ(令和3年分)|国税庁
外国人社員を採用したら
日本で外国人を採用する場合は、基本的に日本人を採用する場合と手続きは同じです。
ただし、次のように外国人社員特有の届出がありますので注意が必要です。
■厚生年金保険
「資格取得届」に「ローマ字氏名届」をあわせて提出することになっています。外国人の配偶者を扶養親族として届出る場合の「国民年金第3号被保険者該当届」にも配偶者の「ローマ字氏名届」が必要です。ただし、個人番号(マイナンバー)と基礎年金番号が結びついている人は「ローマ字氏名届」の提出を省略できます。
■雇用保険
資格取得(喪失)届の「備考欄」に「在留資格」「在留期間」「国籍・地域」「資格外活動許可の有無」「派遣・請負就労区分」を記入します。また、在留カード番号の届出も必要です。
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【プロフィール】
藤井 真奈美
特定社会保険労務士
ファイナンシャルプランナー 社会保険労務士法人「国際労務パートナーズ」
社会保険労務士 ファイナンシャルプランナー
「大日本インキ化学工業株式会社」(現 DIC株式会社)の総務人事部門で17年半勤務 。 その後、夫の海外転勤に伴い退職してシンガポールに引越し、2年後に帰国。 約2年間の社会保険労務士事務所勤務を経て、2011年11月に藤井社会保険労務士 事務所を設立。2106年3月に事務所を法人化し、社会保険労務士法人 国際労務パートナーズを立ちあげる。
国際労務パートナーズ
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