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染処古今が「物づくり」と「人づくり」に全力!博多・西村織物と共同企画で新商品発表へ

「染処古今」社長・安江敏弘 氏

きもの業界古今 2019.10.10

会 社 名  染処古今

代 表 者  安江敏弘氏

所 在 地  京都市右京区山ノ内瀬戸畑町12

電   話  075-312-3025

ホームページ http://kokon-somedokoro.co.jp

伊勢型紙にこだわったきものを製作する「染処古今」(京都市、安江敏弘社長)は今年3月創業100年を迎え、5月に令和元年と元号が改まり、101年目に入るという大きな節目の年になりました。若い染め職人を育てながら自社でオリジナル商品を企画・製造する安江社長は“伊勢型の語り部”として全国の呉服店などで講演会を行っていますが、来年に向けた物づくりでは博多織メーカーの西村織物(福岡県)との共同企画で新商品「八寸博多献上伊勢型小紋国宝二人作両面染」を製作。同商品を中心に伊勢型小紋と博多織の良さをアピールしていく計画です。これを機に安江社長に近況を伺いました。

 

安江敏弘社長

 

同社は1919年(大正8)年、宮岸正一氏が創業し現社長の安江氏は4代目に当たります。島根県の中学校を卒業すると15歳で丁稚奉公として入社。以来、伊勢型紙一筋で仕事をしてきました。安江社長は、来年に向けて「博多の西村織物さんと共同で新商品を発表します」と抱負を語ってくれました。

 

伊勢型紙の図案と博多献上柄をオリジナルでデザイン

――はじめに近況をお願いします。

「私どもの会社は創業100年ですが、西村織物さんは江戸時代の文久元年(1861)の創業ですから158年の歴史があります。そういう歴史ある会社さんと一緒に物づくりをさせていただくことによって今までにないものが出来ると思いますし、お互い頑張っていきたいと思っております」

――具体的には?

「私どもが手がけている人間国宝中村勇二郎氏(道具彫り)と六谷梅軒氏(錐彫り)と南部芳松氏(突き彫り)それぞれの型紙の図案を使って新商品を製作しています。伊勢型紙の図案と博多献上柄をオリジナルでデザイン化した織物ですが、西村織物さんに織ってもらった後は蒸(む)しを行い、両面を手で洗っております。昔ながらのやり方ですから手間がかかりますが、そうすることによって織物の良さと独特の風合いを引き出すことができるので、結果、お客さまが喜んでくれると確信しております」

「西村織物さんは今年11月中旬博多で行われる『博多織求評会』で同商品を発表されるとお聞きしています。また、この商品のもうひとつの特徴ですが、昔、なごや帯で“トンネル仕立て”という言い方で裏を折り曲げると違う柄が表に出て、また別の柄の帯を締めることができるという特殊な仕立て方がありました。裏と表、両方お好みの帯が締められるのですが、昔からあった仕立て方です。今は知らない方が多いようですが、昔からあったそういう仕立て方をもう一度見直して過去の歴史を振り返って物づくりを行い、来年からこの商品をメーンに展開したいと思っております」

 

西村織物と共同で新商品を製作

 

新たな「物づくり」にチャレンジ

――今回の博多織と伊勢型小紋の新商品は一本の帯で二通り楽しめるわけですからお客さまに喜ばれるでしょうね。

「歴史ある西村織物さんと協力しながら取り組んでいるところですが、西村織物さんも時代を乗り越えて来られ、常に新しい物づくりにチャレンジしておられます。そういう考え方が一緒なので今後もお互い相談しながら前向きに物づくりをしていきたいと思います。来年から現在製作中のこの新商品を中心にやっていきますが、再来年の2月は京都でオリジナル商品を発表する予定です。それと、大事だと思うのは、価格が高くならないよう協力していきたいということです。いい商品をつくっても値段が高いと多くの方に商品が行き渡らないと思います。10人より100人の方に商品が手に入るよう努力していきたい」

 

博多献上と伊勢型小紋のコラボ

 

若い染め職人を育てる

――今、京都の染めの現場では若い職人さんが育っていませんが、御社は積極的に若い方を入れて育てておられます。

「物づくりを行うにはやはり職人を育てることが大事です。同時に『つくり続けること』。その2つが重要です。若い人を育てることによって未来があるので、それには全力で取り組んでいます。今、20代の若い染め職人(28歳、石井健登氏)が現場で働いていますが、彼のような若い職人が仕事をして物づくりを続けていかないと伝統が次の代に受け継がれていかないと思います。職人にとって大事なのは技術の向上です。仕事がないと腕が鈍るので、その意味でも『つくり続けること』。同じものでは進化しないので、新しい商品をつくることが重要になると思います」

 

28歳の染め職人・石井健登氏

 

(メモ)

同社は以前、『ブック』と呼ばれる色見本を全国の小売店に発送し注文をもらう方式が主体でしたが、現在は自社で白生地を仕入れ新商品開発、営業、販売まで出来る体制を整えています。得意先も直接呉服店との取り組みが多く、その分、消費者であるお客さまに適正な価格で商品が提供できるとしています。「物づくり」と「人づくり」に力を注ぐ同社のこれからが楽しみです。

(文・西本俊三)

 

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