「経営理念」と「理念経営」の違いを理解しよう!
2019.05.29新たな時代「令和」も早やひと月が過ぎようとしています。
こんにちは、しもじんこと、PR現代 代表の下島仁です。
時代が変わっても、経営において大事ことのひとつに、
何を使命とするかという「経営理念」があります。
やはり理念のもとに、実践をすることが成果に直結すると思います。
そこで今回は、経営理念と、理念経営の違いについてお伝えします。
経営理念と理念経営。似たようなことばですが、それぞれの持つ意味は違います。
経営理念は、会社経営の根本の考え方
経営理念は、会社経営の根本の考えをさします。「何のためにわが店は存在するのか」「何を守り、何を目指すのか」を明確にした会社の哲学です。例えれば日本国憲法の前文のようなものです。
「経営理念」はさまざまの言葉で表現されます。たとえば、社是、社訓、綱領、精神、信条、企業理念、行動指針などです。どのような言葉で表現されようとも、顧客へのお役立ちの精神であることに変わりはありません。老舗によっては明文化されていなくても、商人の当然の行いとして独自の文化となって継承されている場合もあります。
しかし、お役立ちに関わる根本的問題であり、現場での実践に役立てるためには、誰にも理解できるよう明文化しておきたいものです。必要な項目として顧客、社員、株主、取引先、関係会社、社会などに対する、店の責任、信条、行動指針などです。要約すると次の10項目です。
【経営理念10のチェックポイント】
①経営者の人生観、哲学、生き方に根ざしている
②経営者が自ら日常的に実践している
③社員はもとより仕入先、関係先の方々に共感していただける
④社員が日常の仕事のなかで心のよりどころにできる
⑤理念を日常的に実践することで社員が成長することができる
⑥事業目的である顧客の創造につながる
⑦商人としての感謝と奉仕の精神が明確である
⑧経営理念の実践は収益の向上に結びつく内容である
⑨生活者の生活向上、地域、社会の発展に貢献できる内容である
⑩自然の摂理、新しい社会の規範に合致している
経営理念の一例として、弊社が主宰するマーケティング勉強会「JMG(ジュエラーズ・マインドグループ)メンバーであり、第2回ジュエリーショップ大賞受賞店の(株)ハナジマ(東京都江戸川区、花島素人社長)を紹介します。
「ハナジマへ来てよかった」が同店の経営理念です。シンプルで、分かりやすい理念です。これは時代を超越して生き残る理念です。実に分かりやすい名文です。同社の社長の人間性、商人哲学、販売思想のすべてがこの一文に含まれているように感じます。同店の優れた点は理念を現場で実践し続けているところです。
「理念経営」は、経営理念の実践・実現を経営目標の最上位に掲げる経営方法
一方、「理念経営」とは経営理念の実践・実現を経営目標の最上位に掲げる経営方法のことです。これは言葉以上にたいへん難しいことです。
よく、「理念経営」とは、経営理念に基づく経営のあり方と、漠然とイメージしていらっしゃる方が多いようです。しかしこれでは、「経営理念を掲げた経営をしています」ということと同じでそこには曖昧さが存在します。
会社経営には、さまざまな経営目標(売上目標、粗利益率(額)目標、経営削減目標、、商品の販売達成目標、在庫軽減目標、客数目標、営業利益目標、経常利益目標、顧客満足度目標など)があります。その中で、経営理念の実現、達成を最上位の経営目標に掲げ、日々、その実践と達成、徹底、継続のために全社員が強い意思のもとに仕事にあたること。これが理念経営です。
「経営理念に基づく『理念経営』は意外と難しい。言葉以上に、厳しい実践が求められるもの」と言われるのはこのためです。理念は現場にあり、現場の実践こそ理念なのです。
その代表的な企業が、(株)イエローハット(創業者 鍵山 秀三郎氏)でしょう。 トイレ掃除に代表される凡事の徹底から会社の社風を改革し優良安定企業へと成長させました。現在では年商900億円を超えるカー用品販売会社へ成長しています。
「令和」という新たな時代、
自分の特徴を生かした理念の実践が大切!
しかし、もはや時代は令和という新たな時代に入ったのです。あまり、肩肘はらずに、自分たちなりのポリシーで、日々、仕事をするときの合言葉のように、経営理念を身近において仕事に励むのが大切と思います。
世の中SNSによるコミュニケーションが波及し、ちょっとしたことでも情報が拡散する社会となりました。ややもするとそれが企業のマイナスになることもありますが、もはや隠しておくことはできない時代となったことをしっかり踏まえ、自分の特徴を生かし切る経営が大事だと肚をくくった者勝ちとも言えます。
また、実際そのように経営理念を位置付けて、仕事をしている、IT、ウェブ関連企業、創業企業がどんどん増えているのも事実です。
経営理念と理念経営、その意味をつかみ、令和の時代も生き抜いていく力としましょう!
