失敗しない”パワハラ予防策”
2019.11.20こんにちは。PR現代の佐藤です。
11月も後半に入りました。いよいよ年末ですね。
毎年ここからのスピード感がすごすぎて、てんやわんやな状態です(汗)
来年こそ!と意気込むのがすでに遅いのですねきっと……
最近のニュースでは「桜を見る会」騒動が気になりました。
調べてみると1952年に吉田茂首相の時から始まったそうですね。
割と歴史があることと、招待者が昨年、今年といずれも1万5千人という数字に大変驚きました。
昔からニュースなどで会の様子を見ることはありましたが、単純に毎年1万数千人を招待し続けるのはさぞかし大変だろうなぁと感じました。
ハラスメントをよく理解しましょう
さて本題です。
先日、銀行さん主催の勉強会に行ってまいりました。
勉強会のテーマは「失敗しない“パワハラ・セクハラ予防策” 」でした。
昨今ではセクハラ、パワハラ、モラハラ、マタハラ、アルハラ、ジェンハラ、カスハラ、グラハラなどなどハラスメントだけで50種類以上あるそうです。
皆さんはセクハラ、パワハラ以外でどれくらいご存じですか?
一度調べてみてください。
勉強会では東京弁護士会の協力で、各テーブルにも弁護士が入ってグループワークを行うという本格的なものでした。
まずハラスメントの理解から。
ハラスメントの本質・原因は
相手の人格・尊厳を傷つける行為であること。
その原因は大きく次の4項目があげられました。
●加害者側の独りよがりの考え方
●相手に対する配慮・尊厳の不足、想像力の欠如
●コミュニケーションギャップ、ジェネレーションギャップ
●職場の雰囲気、企業風土など
ハラスメントが職場で起きると、被害者、加害者、同僚と係わる人全員に悪影響を及ぼし、会社の生産性低下や労働力の減少・流出などリスクが高まります。
今回は、特に注意したい「パワハラ」について勉強会で学んできたことをお伝えします。
今年、法律上はじめてパワハラが定義づけられました。
令和元年5月29日 企業・職場でのパワハラ防止を義務づける法案が成立しました。
大企業では2020年4月から、中小企業は2022年4月からの施行が予定されています。
<事業主が講じるべき措置の内容>
- 事業主の方針の明確化及びその周知・啓発
パワハラ禁止の方針を明確化し、従業員に周知・啓発、規定類の整備
- 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
相談窓口の設置、相談に対する適切な対応
- 職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
事実関係の調査、被害者に対する配慮のための措置、行為者に対する措置、再発防止措置
- 上記措置と併せて講ずべき措置
相談者・行為者等のプライバシーを保護、相談したこと等による不利益な取扱禁止
パワハラの3要件
- 職場において行われる優越的な関係を背景とした言動
職務上の地位が上位の者による言動など
職務上だけでなく、優越的な関係には、人間関係や専門知識などさまざまな
優位性が含まれる
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えるもの
業務上明らかに必要のない言動、業務の目的を大きく逸脱した言動など
- 就業環境が害されるもの
労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、労働者の労働環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることなど
法律ですと難しくてわかりづらいですね。具体的な例をあげると
- 大勢の関係者が出席している会議の場で部下を叱責する
- 消極的な部下に対し、「意欲がないなら辞めるべき」との叱責メールを職場の同僚をCCにいれて送る
- 仕事上のミスに対して、「あほか」、「死ね」、「頭が悪い」、「辞めたほうが良い」「同じことを何回も言わせるんじゃない!」などと発言する
- 「『すみません』ですむと思っているのか!!」「どうけじめをつけてくれるの?」「どう弁償してくれるのか!」と恫喝と思われる言動
- 現実的に困難な納期を設定して、それまでに業務を完了するよう求める(17時に明日の朝10時までに20ページ以上の報告書を作成するよう求めるなど)
- PC操作が不得意な年配社員に対して、「その程度もできないのですか」、「これだから年寄りは」などとからかう
いかがでしたか?
ついついやってしまいそうなこともありそうですね。
重大なミスをした場合、皆のいる前で「バカヤロー」と怒鳴ってしまうこともあるかもしれません。しかし、それもパワハラに該当しますので要注意です。
ちなみに「死ね」「辞めろ」は完全NGとのこと。
パワハラの類型
パワハラには類型もあるそうです。
こちらはかなり具体的になってきています。
第一類型 身体的な攻撃(暴行・傷害といった物理的な攻撃)
第二類型 精神的な攻撃(言葉や態度等による精神的ないじめ、嫌がらせ)
第三類型 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
第四類型 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不能なことを強制す
る、仕事を妨害する)
第五類型 過小な要求(業務上の合理性がなく、能力・経験とかけ離れた程度の
低い仕事を命じる、仕事を与えない)
第6類型 個の侵害(プライベートなことに過度に立ち入る)
熱心な指導だと思っていてもそれはパワハラであることがあります。
予防するために、会社全体でハラスメントに対する理解を深め、コミュニケーションを積極的に行い風通しを良くするなど予防策を継続することが大切です。
勉強会で行われたグループディスカッションでは、普段から仕事の熱意があまり感じられず、細かいミスも多く遅刻欠勤も比較的多い、指示待ちの新人が起こした重大なミスに対して「お前、やる気あるのか。ふざけるな」「いつまで学生気分でやっているんだ。やる気がないなら辞めろ」と大声で怒鳴ったことで新入社員は翌日から会社を休み、数週間後に代理人弁護士から上司からのパワハラでうつ病になったとして会社と上司に対して慰謝料請求が届いたというものでした。
このディスカッションで感じたのは、いつ起こっても不思議でない事例だということです。参加者の皆さんも同様に感じていたようです。
皆さんは慰謝料請求をされた経験はなくても、「やる気がないなら辞めろ」と言ってしまった経験はありませんか?
今回はパワハラを取り上げましたが、この機会にセクハラ、その他のハラスメントについても社長さん以下よく勉強して、会社として予防を講じていく必要があると思います。
弁護士の先生が、最近は解雇することも簡単ではなくなってきていると言われたのが印象的でした。
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