製品を商品に変えるのが小売店の仕事
2020.03.04事業の命題は永続性
こんにちは。PR現代の大下直子です。前回のこのブログのお当番は2月5日(水)だったので、書くのはほぼ一ヵ月ぶりなんですが、前回、すでに「消毒液もマスクも買えない」と書いているんですよね〜。
「それが経済だと言ってしまえばそれまでだ〜」みたいなことを書いてました。新型ウィルスの報道からすでに一ヵ月以上が過ぎたのですね。
「増税」、「暖冬」、「新型ウィルス」という……消費の三大マイナス要因?とでも言いましょうか? 三大影響というのか? 流通関係は昨年秋からもう大打撃です。
しかし! 愚痴っていても始まらない。粛々と、やるべきコトをやる。腹をくくって信念を貫く。有事の際は、トップの器と肚が試される時でもありますね。
大混乱の中、やっぱりいました。シャープは工場の体制を整えてマスクを作り始めましたし、ローソンは学童にお握りを三万個無償提供を決めました。ホットミルクの半額提供もあり、酪農家や乳業メーカーへの助けにもなりますね。
給食業者が大打撃の中、休校中の児童を受け容れている施設や団体は昼食確保に大変だそうです。なんせ、急でしたからね。
それでも、各地でいろんな知恵が出て、助け合う力が働いていることは、日本人として誇らしくもあり、大変な中ではありますが、少しうれしいニュースです。売名行為だと早速批判の声も出ているようですが、即断できるトップも、トップダウンで即実行できる現場も、私は立派だと思います。一日も早い収束を願いつつ、最大限の注意を払いながら普通に楽しく過ごそうと思います。
マスクなど「を買い占めて、Amazonや楽天などで高額で販売している人、きっとバチが当たるでしょうね〜〜(きっと当たれって思っている私……というより、もはや当たると本気で思っている私)。
そして、株の売り買いで生計を立てている方などは若干、コトに乗じて何かが上がるの下がるのというカンどころが冴えているというか……鼻が利く人がたくさんいらっしゃるのだろうし、そういうお勉強をするのは広く世の中や、特に流通や経済を俯瞰するのにはとても大事なことなのでしょうけれど、なんとなく、何かに乗じて上手いこと自分だけ儲けるっていうのは腹が立ちます。
「事業の命題は永続性」ですからまぁ、こういうときは自分だけなんとか切り抜けようとか、儲けようと考える前に、経営者にはやるべきコト、考えるべきコトがあって、それって結構シンプルなのですよね〜♪ 各社のトップの判断、現場の行動力、こういうときこそ社風や理念、本質的な人間性などが顕在化するのでしょう。
腰痛対策としてAmazonで買ったキャリーバッグ
さて、そんな中、今回は取っ手がとれてとっても困ったっていう話をしようと思います。もちろん、「とって」のところはオヤジギャグです。私はオヤジじゃなくてオバハンですが……汗
もともと私はヒドイ腰痛持ちなのですが、長く付き合っているのでいろいろなコツを知っていて、なんとかだましだまし暮らしています。が、ちょっと長時間の撮影をしたり、パソコンを一日中打っていたりすると、たまらなく痛くなる。ああ、またやっちゃった〜〜〜「いてててててて〜〜」です。
私は、基本的には同世代の女性と比べたらはるかに力持ちなんですが、重たい荷物を長時間運ぶとお辞儀もできないほど腰が痛くなる。お辞儀ができないので、感じ悪い高飛車な女になってしまうんですね〜。
そして肩も凝る、首も凝る、そうなると頭痛もする! で、挙げ句の果てには頭痛薬のお世話になるのですが、鎮痛剤の飲み過ぎは、絶対によくないのでなんとかしなければ! といろいろと策を講じているわけです。
でも、荷物はどうしたって多いんですよ。
若ければいいけどおばちゃんにはコレ、相当辛いんです。ずっしりと重いんです。両手が使えるのが有り難いので、ロケのや取材のときはリュックも使うんですけど、肩こりがヒドくなるので通常は使いません。
そこで、パソコンや周辺機器、資料などを持ち歩く日常を何とかしようと、とても小さな、そしてパソコンを入れても大丈夫な衝撃の少ないキャリーバッグを購入しました。Amazonで♪
いや〜、担がないでいいのはホント、楽。幸せです。
Amazonと楽天
さて、私は、楽天もAmazonも利用しますが、Amazonを利用する頻度が圧倒的に高いです。これはもう、単なる好みの問題ですが、特にレコメンドが気に入っているし、自分にぴったりなのを提案されるとうれしくなって、提案通りのモノを購入したりもする。
本を購入することで使い始めたので、馴染みもありましたしリピート機能も便利。画面のデザインもAmazonのほうが好きです。まぁ、単に使い慣れていると言うことかもしれません。
あ! 送料無料問題あたりから、ツートップの片割れの楽天に若干陰りが見えてきましたね。なんとなく三木谷さんの人相が変わってきたように見えます。諸行無常です!
ワークマンも2月28日で楽天のショップを閉店しました。一方Amazonは一時期、リアル店舗を凌駕するとまで言われていましたが、プライムビデオをはじめとするサブスクへと徐々に注力して、そのスタイルを変えてきています。流通プラットホームで絶対の地位を築いていながら、さらなる変化にチャレンジする。すごいな。
ちょっと上手くいったら誰だって現状を維持したくなるし、勝ったら満足したくなる。でも、そこで満足しない、慢心しないこと、進化を止めないことが勝ち続けるために必要なことなんですね。
と、まぁそんなわけで、その進化を楽しみに眺めつつ気に入って利用しているAmazonですが……、この買い物には少々時間がかかりました。結果、私としては異例の「時間をかけた買い物だったにも関わらず失敗をした」という結果になったのです。
Amazonで大失敗
基本的に私は買い物がものすごく速いです。
「女の買い物に付き合うのはイヤだ」という男性の声を耳にします。また買い物は、男性と行くよりも女性と行くほうが楽しいという話も聞いたことがあります。
しかし、自分のモノはほぼすべての買い物が衝動買いで即断即決! 車もマンションですらもほぼ即決に近いほど速い。私の行動パターンの中に「ショッピング」という時間はほぼゼロ。買い物を目的とした外出をしたことはありません。
何かのついでに何かを済ませる。そして基本的に面倒くさいので、間違いないモノはまとめて一気に買います。当然のことながら失敗も多いです。その都度、悲しくなりますが、私は学習機能がないようで、また次も衝動買いをします。アホですな。
着るモノは、ものすごくサイズが特殊なので(原因はちょっとカタチの個性的なデブ)、同じスーツや同じブラウスを2着、一度に購入することもあります。だって、次に私に合うスーツやブラウスを見つけるために時間を取られるのはどうも無駄な時間のような気がするんですもの〜。
そして、探すのが面倒なのでリピートが利くものがとってもスキです。ううむ……つまり、これってオシャレじゃないってコトですよね〜〜〜(やばい)
さて、Amazonで腰痛対策のキャリーバッグを購入するときに、迷ったのは、どれがベストか全く分からない! という理由です。
自分の欲しいサイズや機能が満たされているものが少ない上に、比較検討しにくい。
コロコロと転がすときに軽くて音が小さい。丈夫で長持ち(出張が多いので、2019年、2020年の2年間で中型サイズのキャリーバッグは3つ壊れました)、小型、パソコンが取り出せる外ポケットあり……。
商品説明のポイントが商品によってバラバラで、よく分からない。
表示されるのは製品についている説明書の画像ばかり。
どれが良いのか、違いが分からな〜い!!
そこで私としてはまさに異例の時間をかけて、どれにしようか、どれにしようかと悩み、迷い、あっちを見ては口コミを読み、こっちを見ては星の数の多いのも少ないのも読んで、読めば読むほどさらに迷い、悩み、結果的にエイっ!と覚悟を……
いや、購入を決めたのですが……結果は9ヵ月でトッテがポキリと折れました。そして私の心もポキリ。
残念!
週に1〜2回の使用でした。これまで一番よく壊れたファスナーや車輪部分はまったく異常がなく、残念なことでしたが、修理の方法があるかとAmazonの買い上げ履歴からその製品のページに行ってみたところ、レビューが増えていました。
そこには、私が購入した一ヵ月後に購入した人の書き込みがありました。近頃Amazonの口コミは、実際の利用者ではなく、いわゆる「さくら」による書き込みが増えていると聞きました。Amazonはさくらによる書き込みや不正な書き込みは削除していますが、それが追いつかないのかもしれないですね。
1度目は使い始めて1カ月で取っ手が破損し、キャリーが使えないバックになってしまいました。修理の後さらに1カ月後、今度はタイヤごとなくなり再び修理。保証期間内でしたが、修理不能とのことで5,000円で新品交換となりました。そして新品到着からさらに1カ月後、最初と同じく取っ手が破損。保証期間はすぎていますので、多分有料なら直してくれると思います。ただ使用期間より修理期間の方が長くなりそうなので、普通に長く使える鞄に買い替えてしまいました。
驚いたことに、そこに写っていた写真は、ほぼ私と同じ部分が破損していたのでした。私と違って修理を繰り返していたとのことで、このレビューがもしも購入する前だったら? もしかしたら別のモノを選んでいたかもしれませんね。
異常に買い物に時間を取られていた
私は、ふと気がつきました。
買い物をするのがあまり好きなほうではないが、必要なモノは購入しなくてはならない。
スペックが明確なプリンターのインクとか、ビール(重たいから)などは、分かっているものを購入するので、本当に数秒で済んでとても便利なのですが、こうしたものを購入するのに、「異常に時間を取られる」ということに。
レビューを読んだり、サイズを見たり、他のものと比べたりするのに、店頭よりも時間がかかる! 場合によっては疲れ果てて決めかねたり、時間切れで「今日はもう終わりにしてまた明日考えよう」と他の仕事を始めたり、パソコンをシャットダウンすることも……。
めっちゃ面倒くさいじゃないか〜〜! (そしてまんまと失敗)
もちろん、その店頭まで行く時間などは節減されているわけですから、便利は便利なのですが……私の知りたいことや分かりたいことをもう少し分かりやすく説明してもらえないものだろうか? と「客」になってみればもう、要求というか、不満はどんどん大きくなるわけです。
そうか、相手(客)が欲しているものをすぐに提示できるかどうか?(ネットであれば見やすさ、探しやすさ)、
疑問に思っていることや、こだわりポイント、譲れないスペックなどについて、どれだけシンプルに分かりやすく提示できるかどうか?
そして購買意欲を喚起できるかどうか?
これって……販売するのがリアルであってもネット上であっても同じなんじゃないかしら?
コモディティ化がぐ〜いぐい進んで、サービスや商品や、価格では他店との差別化ができない! というか、お客さまから選ばれない! というときに
何をするのか? どうするのか?
私にとってのプリンターのインクやビールなどの商品についてはなかなか難しいかもしれませんし、当てはまりにくいかもしれませんが、高度の専門性を必要とする商品ならば、「接客」や「編集能力」で、差別化ができるかもしれない。
呉服店も宝石店も、他の小売店の追随を許さないレベルの膨大な顧客情報を持っていますよね。顧客を最も知っている業種と言えるかもしれません。
ならば商品編集、提案ストーリー、商品説明の方法など、まだまだ工夫できることがあるんじゃないか?
つまり努力ポイントがあるんじゃないか?
そんなことを、折れたトッテを見つめながら少し考えました。
製品を商品に変えられるのは商人(小売店)だけ
膨大な商品情報、膨大な商品量、そして口コミはすべて可視化され、猛烈な時間がかかり、結局よく分からない状態に追い込まれる。
キャリーバッグじゃなくて、エメラルドだったら? 結城紬だったら? 絞りの訪問着だったら?
信頼できるお店が、信頼できるお店の社員が、その顧客が知りたいこと、困っていること、悩んでいることを解決することができたら?
たくさんのイベントや催事が中止になってしまって、卒業式の中止も相次いでいて、本当に大変な毎日だと思いますが、ここはひとつ「考える時間」を神様がくださったと思って、社員の皆さんで
一つひとつの商品の魅力をどう伝えるか?
お客さまは何が知りたいのか?
などについて、しっかり考え、話し合う時間を作ってみるというのもいいかもしれませんね。
作り手が(メーカーが、職人が)作った時点ではソレは単なる製品でしかない。
Amazonや楽天の売り場にも、メーカーの作った説明書のページが製品と一緒に掲載されていることが多いです。
でも、メーカーの説明書にはスペックしかない。サイズや素材はそれで分かります。でも、それだけじゃダメなんです。
そのサイズだからどうなの?
その素材だからどうなの?
何が楽しいの?
何が面白いの?
何がどうして使いやすいの?
それを求めている人へしっかりと製品のスペックを編集して、魅力をしっかりお伝えできるのが
ネット上であっても、店頭というリアルの現場であっても、小売りに求められることだと思います。
製品を商品に変えられるのは商人(小売店)だけです。
「1メートルに3000回転の縒りがかかった強撚糸を緯糸に織り混んでいます」という説明を聞いて欲しくなる女性はいません。
1メートルに3000回転の縒りがかかった強撚糸を緯糸に織り込んでいることはしっかりと商品知識として頭に入れておかなければならない。しかし、1メートルに3000回転の縒りがかかった強撚糸を緯糸に織り込んでいるとどうなるの?
何が着る人にとってメリットなの?
そこをきちんと編集できるかどうかということです。
さ〜〜て、次はどういうキャリーバッグを購入しようか。
必需品だからこの必要経費はしょうがないけど、マジで悔しい。
一発で決めたいな。
今度こそ、長持ちしてください。お願いします!
キャリーバッグ貧乏です。
最後に、私事ではありますが、3月末でPR現代を退職をすることになりました。
正確に言うと正社員じゃなくなるという感じで、4月以降はパートとして……(といっても、「パートタイム」ではなく「パートジョブ」とでもいいますか……部分的に一部の仕事を継続して)働きます。
で、正社員じゃなくなるのでこのブログはなんと私の最終回となりました〜〜〜(蛍の光のBGM)
また、ピンチヒッター的に登場することもあるかもしれませんし、状況は変わるかも知れませんが、とりあえずひとくぎりです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また、いろいろな感想をお寄せいただいた多くの皆さまにも感謝申し上げます。
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