SNSの活用方法を見極めよう
2018.08.23(株)PR現代 ウェブ戦略担当 取締役 神山有史
最近はSNSの普及のせいか、お店でもSNSの話題が以前にも増して出てくるようになりました。
・インスタグラムを使ってフォロワーを増やしたい
・LINE@を使って集客したい
・少額のfacebook広告を使って集客したい
などです。
確かにSNSを有効に活用すると、「いいね」や「フォロー」してくれたユーザーの友達や知り合いに情報が拡散するので、多くの人に、情報や写真を知ってもらいたいというときに非常に便利です。しかし、ちょっとここで立ち止まって考えたいのが、ウェブ経由で見込客を集客しようとしたとき、SNSが果たしてどれだけ有効なのかということです。
ウェブサイトにユーザーが訪れるルートとしては、次の4つがあります。
・オーガニックサーチ(GoogleやYahoo!で検索してサイトにくるルート)
・ダイレクト(紙媒体に記載してあるQRコードやブックマーク、ブラウザのトップページのサムネイルなどから来るルート)
・リファラル(他サイトからのリンクで来るルート)
・ソーシャル(SNS経由でサイトへ来るルート)
上記のようなSNS経由のユーザー来訪は「ソーシャル」に分類されるわけです。
さて、では専門店のウェブサイトは上記4つのルートの中でどのルートがもっともユーザーを獲得できているかというと、圧倒的にオーガニックサーチです。そして、二番目はダイレクトです。ほとんどのお店の場合この二つで90%くらいになります。ソーシャルやリファラルは10%、多くても20%程度です。ただし、着物専門店でも紬などの趣味の着物をメイン商品として展開している場合などはfacebookが有効に機能するため、ソーシャルの比率が高いというケースが稀にあります。それでも30%くらいなので、だいたいはオーガニックサーチとダイレクトがメインルートになるわけです。
ということは、インスタやLINE@に力を入れても、見込客をたくさん集客することは現時点では難しいといわざるをえません。お店によっては、テレビCMや番組などを利用して上手にプロモーションを行い、そこでLINE@への登録を促すというような連携で見込客をたくさん獲得したというようなケースがありますが、これもレアケースと言えます。
見込客を効率的効果的に集客するなら、やはり自然検索での集客(オーガニックサーチ)と紙媒体連動(QRコード)のダイレクトを増やすというのが近道です。
GoogleやYahoo!の自然検索を増やすには、ユーザーのニーズを捉えた情報発信という作業が必要になります。そしてこれは継続的に記事を更新するという長期的な活動が不可欠なので、短期的に結果を求めるには、ウェブ広告を使うしかありません。
一方ダイレクトでの集客を図る場合は、紙媒体連動なのでDMやチラシなどにQRコードを掲載し、それを見てもらうよう促すようにすれば、比較的短期で集客を図ることが可能です。ただし、紙媒体を見ることができる人という条件付きにはなります。
よって、記事更新と紙媒体連動という組み合わせで中長期的にウェブを運用し、集客を図るというのが一番成果に直結する活動ということになります。
ではSNSはやる必要がないのか? というと、そうではありません。
やはりSNSならではの効果があるため、活用すべきです。
ただし、その活用目的は、情報拡散とリピーターづくりです。
LINE@はぜひとも取り組むべきSNSですが、リピーター化のための活用のほうが有効です。
店頭に小物を買いに来たとか、修理、電池交換のお客様など担当者がついて、しっかりとフォローするということがしにくいお客様をLINE@に登録してもらうメリットは大きいです。
実際、ウェブ運用に携われるスタッフは人数的にも少なく、一人で何役もしなければならないというのが現状です。
目的とゴールをしっかり定め、何を優先的に行うかを決めて取り組むことが重要となっています。
【文・PR現代 神山有史】