「カルティエ、時の結晶」展
2019.10.09
世界を代表するジュエリーブランドとして知られる「カルティエ」。その1970年代以降の現代作品にフォーカスした世界初の展覧会「カルティエ、時の結晶」が、東京・六本木の国立新美術館で開催されています。
今回の展覧会では、現代作品を紹介するだけあって、世界中の個人所蔵の作品を多数展示しています。総出品数のうち半分以上を個人蔵が占めていますが、その圧倒的なクオリティはジュエリーの域を超え、美術工芸品と呼ぶにふさわしく、カルティエのメゾンとしての懐の深さを見せつけます。
過去には歴史的な作品を対象としたいわゆる「カルティエコレクション」の展示会が行われてきましたが、今回の展覧会はその創作活動における革新性、現代性、独自性を、メゾンが築き上げてきた創作の歴史を背景に表現する世界でも初めての試みです。
本展覧会は「時間」をテーマに「色と素材のトランスフォーメーション」「フォルムとデザイン」「ユニヴァーサルな好奇心」という3つの章に分け、カルティエのイノベーティブなデザインの世界を探求します。
また今回のもう一つの見どころは、その革新的な展示方法です。新素材研究所の杉本博司と榊田倫之が手がけた会場構成は、「時」を意識し回遊する展示空間を創出しています。
悠久の時を経て見出され、磨かれた宝石と、世界各地の文化や自然物から着想を得たデザインが、卓越した職人技術によって昇華したカルティエの宝飾品。それは世界中の人々の憧れであるとともに、次代へと受け継がれるべき人類の財産といえるでしょう。
(文・嵯峨紀子)
会期
2019年10月2日(水)~12月16日(月)毎週火曜日休館
※ただし、10月22日(火・祝)は開館、10月23日(水)は休館
開館時間
10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
会場
国立新美術館 企画展示室2E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
シングルアクシルのミステリークロック(1956頃)
イエローゴルド、プラチナ、スモーキークオーツ、ダイヤモンド
シングルアクシルのミステリークロック(1997頃)
イエローゴルド、シトリン、瑪瑙、オニキス、ダイヤモンド
ティアラ(1905年)プラチナ、ダイヤモンド
「リリー」ストマッカー(胸飾り)ブローチ(1906年)
プラチナ、ダイヤモンド
ビブネックレス(1947年)
イエローゴルド、プラチナ、アメシスト、トルコ石、ダイヤモンド
ネックレス(2018年)
ホワイトゴールド、計199.02カラットのアフガニスタン産バロックシェイプエメラルド22個、スピネル、ガーネット、オニキス、トルコ石、ダイヤモンド。フェイ・チャン蔵
イヤリング(2018年)ホワイトゴールド、計10.87カラットのアフガニスタン産バロックシェイプエメラルド2個、スピネル、ガーネット、オニキス、トルコ石、ダイヤモンド。フェイ・チャン蔵
ネックレス(2012年)
プラチナ、計348.23カラットのドロップ型コロンビア産エメラルド13個、ダイヤモンド
ネックレス(1937年)プラチナ、ルビー、ダイヤモンド
アル サーニ コレクション